状物質は環境基準を達成しているが、自動車の排気ガスが主な原因である二酸化窒素は、自動車排出ガス測定局(8局)のうち2局で、光化学オキシダント(光化学スモッグ)は一般環境大気測定局(7局)の全てで環境基準を達成していない状況にある。
なお、光化学オキシダントについては、平成8年5月10日に東部(香椎局)において緊急時の措置基準である0.12ppmを超える濃度が出現し、福岡市域に「光化学オキシダント注意報」が発令された。
(2)水環境
? 河川
河川の水質は下水道整備が進んだこと(平成8年度末で都市計画決定面積に対する普及率は97.3%)により改善されてきている。
河川の水質汚濁の目安である生物化学的酸素要求量(BOD)については、平成8年度は19地点中13地点で環境基準を達成しており、人の健康の保護に関する項目(健康項目)は全て環境基準値未満であった。
? 博多湾
博多湾に流入する汚濁物質量の約7割は生活排水によるものであるが、水質汚濁の目安である化学的酸素要求量(COD)は長期的に増加傾向にあり富栄養化が進行しており、平成8年度は、環境基準点8地点中、西部海域の1地点のみで環境基準を達成した。
富栄養化の原因となる窒素・リンのうち、窒素については全ての海域で前年度に比較しやや増化し、東部海域で環境基準を達成していなかったが、リンについては全海域で環境基準を達成し、また、健康項目については全項目すべての調査地点において検出されなかった。
? 地下水
平成7年度に判明した東区内のヒ素による井戸の汚染及び平成8年度に判明した博多区内の無機水銀による汚染に関しては、学識経験者を変えた検討委員会により、双方とも自然由来であることが確認された。
(3)土壌環境
市内28地区(28地点)において土壌環境適合調査を実施し、全地点で環境基準を達成した。