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美しいまちなみを実現するためには、まず、公共自らが事業主体となる都市施設や都市環境の整備を行い、先導的な役割を果たすことが求められており、公共建造物に関しては、その規模や性格から、市民の生活にとって重要な施設であると同時に、これらの敷地空間は、地域の景観整備を進めるうえで重要な役割を担うものである。このため、公共空間の景観向上に向け、道路・公園などの美装化、緑化や川辺・海辺の開放、修景などに努めているほか、公共建築物の外部空間のアメニティ向上に向け、平成8年6月に「公共建築の外部空間デザインマニュアル」を策定し、公共建築物の外部空間、とりわけ敷地近傍の境界領域を対象とした空間整備を進めている。

公共建築物の景観整備は、その事業効果の大きさもさることながら、民間による景観整備の動機づけともなるものであり、点・線としての整備から面的な整備へ事業を拡大していくとともに、関連施策の連携をより深め、総合的一体的に事業を展開していくことが重要である。このため、各事業者による個別の事業計画にその進捗を委ねるのではなく、共通の理念と目標のもとに事業が推進されるような仕組みを確立していくことが重要である。

こうした観点から、大阪市では、景観に関する誘導指針などの作成を行うとともに、各種景観誘導制度などを創設し、民間建築物に対する景観誘導や、民間の活力を活用した緑化の推進・オープンスペースの創出などに取り組んでいる。

 

(3)新・水の都大阪 グランドデザイン

大阪市は、市域の約1割が河川水面で占められており、水との関わりが非常に強いまちである。「水の都」と呼ばれる大阪にとって、貴重な財産である海辺や河川を最大限に活用していくため、平成7年に「新・水の都大阪 グランドデザイン」を策定し、新たな21世紀の「水の都」の創造をめざしている。

このため、臨海部においては、舞洲地区・咲洲地区・矢倉地区において緑地や親水堤防等を整備し、海辺の魅力向上を図っている。

なかでもスポーツアイランドとして整備を進めている舞洲地区では、市民の健康増進やスポーツ・レクリエーション需要に対応するため、緑地を中核施設として、芝生広場、シーサイドプロムナード等の施設を計画的に整備している。また、自然と人間との共生と調和をめざし、景観的にも優れた森林ゾーンや磯遊びも楽しめる人工磯などの整備を行っている。さらに、人工磯の整備にあたっ

 

 

 

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