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(2)『京のアジェンダ21』の策定と推進

京都市地球温暖化対策地域推進計画の策定をうけて,市民,事業者,行政の共通の「環境と共生する持続型社会への行動計画」として策定したのが『京のアジェンダ21』(平成9年10月)である。

計画では,2010年までに1990年レベルの90%に抑制することを目標とする上記地球温暖化対策地域推進計画を今後具体化される個々の計画のベースとし,市民,事業者,行政の積極的な取組みの中でさらに新たな目標をめざすこととしている。

具体的取り組みとしては,?省エネルギー・省資源のシステムづくり,?グリーン・エコノミック・ネットワークづくり?エコロジー型新産業システムづくり?エコツーリズム都市づくり?環境にやさしい交通体系の創出の5つの重点事項に沿って,環境家計簿の作成やゼロエミッション型の地場産業ネットワークの形成,エコオフィス,自動車交通量の抑制などが提案されている。

地球温暖化防止京都会議を終えて,今後本格的に『京のアジェンダ21』の推進を図っていくこととなるが,計画の推進体制確立のため『京のアジェンダ21フォーラム(仮称)』を設置するほか,地域や企業での指導者養成事業,環境家計簿の市民への普及を図るためのチャレンジエコライフ推進事業,また本市独自の「太陽エネルギー利用設備資金融資制度」の創設などの事業を平成10年度で新たに予定している。

 

おわりに

以上,本市における環境行政の現状についてあらましを述べてきたつもりであるが,筆者の理解不足もあって的確な記述になっているかどうか,いささか不安を感じている。また,課題についても紙数の関係もあって十分触れられなかった点をお詫びしたい。

ともあれ,21世紀のキーワードの一つが「環境」であることは論を待たない。本市でも,現在,2001年からの新たな基本構想となる「21世紀・京都のグランドビジョン」の策定準備中であるが,「環境との共生・持続可能な発展」が都市目標の1つとして今後議論されていくことになると思われる。今回の共同研究の成果を本市の今後のまちづくりに生かさせていただければと思っている。

 

 

 

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