サステナブルシティ・かわさきに向けて
総合企画局都市政策部
主幹 大矢野 修
は じ め に
地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組み条約第三回締約国会議)が、九七年十二月一日から十一日まで開かれ、先進国の温室効果ガスの目標を定めた京都議定書を採択した。「海面の上昇や異常気象などの危機を回避するためには二酸化炭素などの温暖化対策が必要である。ただ、温暖化ガスを削減するためには、エネルギー使用量を減らさねばならず、経済成長への影響も避けられない。このため、温暖化対策は九二年、ブラジルで開いた国連環境開発会議以来、人類共通のテーマとして先進国間、または発展途上国間の幅広い、そして深刻な論争を巻き起こしてきた。(日経新聞11月記事)」京都議定書を受けて日本が取り組むべき課題は多い。なにより、実質的に予想を超える削減目標になったことによる国内対策の抜本的な見直しが必要となった。
今回議論された温暖化の意味をあらためて考えてみたい。産業革命以降、二十世紀型工業文明は、石油・石炭などの化石燃料をエネルギー源としたため、大気中への二酸化炭素の排出を招いた。発展途上国も先進国に追いつこうと、必死になって熱帯雨林を切り開き二酸化炭素を吸収すべき森林資源を激減させた。この結果、大気中の二酸化炭素は大幅に増加した。温暖化は産業革命以降の工業文明に反省を迫る未来からの貴重な警告である。
私たちは、大量生産、大量消費、大量廃棄に代表される生活スタイルを変革することを迫られている。それは、産業優先、大都市一極集中、自動車文明、石油文明との決別を含むものであり、「持続可能性」という価値規範に基づき、今日ある文明の転換を迫るものである。すなわち、適正消費、リサイクル、省エネルギー、製品需要の長期化、大気を含めて地球資源を持続的に使えるシステム・「二十一世紀型の新しい文明」を築きあげることである。それは、技術革新と社会制度の整備により、次代に不安を残さない仕組みを築きあげることでもある。
文明の転換を図れるかどうか、それは私たち一人ひとりの行動にかかっている。地球という惑星での共存、現代社会の仕組みや生活スタイルを根底から見直すこと、地球人として力を合わせなければ実は結ばない。最終的には市民一