5 『エコシティちば』への今後の課題
足下からの取り組みを進めていくなかで、近隣自治体との協力・連携をはじめ、日本全国あるいは全世界の自治体とのスクラムによる熱意が世の中を動かす大きな力になるのではないだろうかと強く感じるようになった。
昨年は、七都県市での取り組みとして、「いますぐできることからはじめよう」を統一標語とした「地球温暖化防止キャンペーン」や「地球温暖化防止アピール」により、首都圏3,200万人の住民に地球温暖化防止のための行動を呼びかけた。今後も、地球温暖化防止キャンペーンを継続して実施していくこととしている。
また、平成10年度には、環境家計簿の機能を持つ千葉市独自の「環境カレンダー」を作成する予定である。家庭での電気、ガス、水道などの使用量からC02排出量を算出、同時に家計費もチェックできるもので、市民約3,000人に使用してもらい、日常生活のなかでの二酸化炭素排出削減に取り組んでもらえればと考えている。
さらに、現在、市内主要企業40社と公害防止協定を締結しているが、今後は、地球環境保全、リサイクルなどの視点も盛り込んだ環境保全協定を締結していくとともに、IS014000シリーズに関する情報の収集・提供に努め、企業の自主的な取得にも期待したい。
このほか、先に述べた「エコオフィスちばプラン」を着実に推進していく過程で、自治体自らがISOの認証を取得した場合の効果などについても検討が必要となってくるであろう。
6 むすび
以上、主に地球規模の環境問題に対する本市の取り組みについて簡単に述べてきた。これからも市・市民・事業者が手を携え、それぞれの責務を果たし、“人と自然の共生関係を大切にし環境にやさしくうるおいのあるまち『エコシティちば』”づくりに力を入れていきたいと考えている。
最後に、本年のアカデミー賞の最有力候補「タイタニック」を監督したジェームズ・キャメロン氏のメッセージから・・・
「あらゆるものが可能性に満ちて爆発寸前だった。常に上昇し続ける終わりのない進化のなかで、すべてがこの上なく素晴らしいものになるはずだった。そこに、突然、人類史上最高で、最も安全で豪華だと宣伝された船によって1,517名が命を落としたのである。人類の自然制覇は完全にくつがえされ、永遠に破壊された。」
私たちの地球が、この豪華客船と同じ運命を辿ることは避けなければならない。