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7 エネルギー・交通需要マネジメント(TDM)

(1)エネルギーの有効利用

都内のエネルギー需要は、オフィスにおける空調機器・OA機器の増加、家電製品の大型化・保有数の増加や自動車の大型化などにより、増加傾向にある。都が平成7年に策定した地球温暖化防止対策地域推進計画では、二酸化炭素排出量の削減目標を平成12年(2000年)に平成2年(1990年)レベルで安定化としているが、これを達成するためには、排出量の多い民生部門と運輸部門での省エネルギー・省資源化の促進が必要である。

このため、基本構想で東京エネルギービジョン(仮称)の策定を打ち出し、重点計画では平成10年度中に策定することとした。これは、?将来世代への責任、?活発な都市活動の維持、?都市に眠るエネルギーの発掘という3つの視点から、?望ましいエネルギー需給像のあり方、?省エネルギーの目標と具体的な推進策、?新エネルギー、未利用エネルギーの導入目標とその具体的な活用策等について定めるものである。

エネルギー政策を実効あらしめるためには、都民や事業者、国や区市町村等との連携・協働が必要であり、エネルギービジョンの中でそれらの役割を明らかにし、効果的・効率的な施策の実施に努める。

(2)TDM

隣接県から都内へ流入する自動車は1日あたり180万台に達し、主要交差点における総通過数も930万台を超えるなど都内の自動車交通量は高い水準で推移している。東京の生活や経済活動を支えているトラック輸送による物流ニーズが貨物交通量の増大に拍車をかけ、トラック輸送の増加が道路交通に対する負荷を大きくしている。

都市交通の円滑化や安全性の確保、大気汚染の改善などに向けて、基本構想ではTDMに取り組むことを明らかにした。平成10年度には、都内の5地区で業態などを特定し、その地区にもっともふさわしい課題解決方法(循環型バスの運行、相乗り、パーク・アンドライド、共同配送など)の選択とその効果の検証を行う。この結果をもとに平成11年度には交通需要マネジメント計画(仮称)を策定する予定である。

 

 

 

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