づけ、これらを具体化するため、モデル契約書の導入、再生品利用ガイドラインの拡充、優良事業者の表彰制度の導入などを柱とした検討委員会の報告書を近くまとめることにしている。
特に、都内で発生する建設廃棄物の約4分の1は都庁の発注工事が占めており、東京都は最大の発注事業者の立場から、他の事業者の模範となるべく全庁をあげ率先して対策に取り組み、適正処理・リサイクルの推進に努める。
5 水の循環
東京は、都市化の進展により、?水需要の増大、?不浸透域の拡大、?生活・工場排水の増加、?水面・緑地の減少などを招き、水循環のバランスが崩れたことから、河川流量の減少、都市型水害の頻発、生態系の変化、河川などの水質悪化、気温の上昇などの弊害を生じている。
自然界及び都市における適正な水循環を回復して、これらの弊害を解消していくことが必要となっている。
(1)水問題への総合的な取組み
水循環の回復を図るためには、これまでの環境保全の視点に加えて、まちづくり全体の中で都市政策・広域行政の視点から取り組んでいく必要がある。このため、基本構想で水循環マスタープラン(仮称)の策定を打ち出し、重点計画では平成10年度中に策定することとした。このマスタープランは、これまで、水源開発、上水道、下水道、河川、都市計画、環境保全、農林水産など水に関する各分野で個別に進められてきた水施策を、総合的・効率的に推進するためのしくみを提案するものである。そして、?水の循環をまもる、つくる、?水を大切につかう、?水をきれいにして自然にかえす、?水のうるおいをいかす、の基本方針に基づき具体的な施策を提案する予定である。
(2) 水の有効利用への取り組み
継続的な水資源開発の推進により、東京の水源は現在613万m3/日となっている。しかしこのうち約20%を不安定水源が占めており、水源の確保とあわせて、水を大切に使うことが課題となっている。雨水の利用を含めた水の循環利用や節水に積極的に取り組むことが必要である。