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し、環境保全の取組みへの参加を誘導することが重要である。このため、住民、企業、行政がそれぞれの立場や国境を越えてパートナーシップを形成することが課題となっている。

これらの新しい環境問題の解決に当たっては、各当事者(住民・企業・消費者)が一体となって、それぞれの役割に応じた積極的な取り組みが不可欠である。

住民は、まず、これまで通りの経済社会システムや生活様式を続けて行けば、健全で恵み豊かな環境を残すことができないこと、また、どのようにすればそれを後世に残していくことができるかを正しく認識し、それを頭の中の理解にとどめずに実際に行動していく役割を持っているということを正しく認識しなければならない。そして、環境問題への貢献度が、市場における消費者行動に正しく反映されれば、積極的な企業は評価されるであろうし、そうでない企業も、自ずと自らを律して行かなければならないからである。環境問題解決の主役は住民自身であるといっても過言ではない。

これを踏まえれば、行政の果たすべき役割は、「あらゆる主体が、人間と環境との関わりについて理解し、汚染者負担の原則等を踏まえ、環境に与える負荷、環境から得る恵み及び環境保全に寄与しうる能力等それぞれの立場に応じた公平な役割分担の下に、相互に協力・連携しながら、環境への負荷低減や環境の特性に応じた賢明な利用等に自主的積極的に取り組み、環境保全に関する行動に参加する社会を実現する」(環境基本計画)ための施策を推進すること、具体的には、?住民・企業に対する啓発活動、?住民・企業の自主的積極的な取り組みに対するインセンティブの付与と最大限の支援と連携、?地域住民の一人としての率先的な行動に要約されると言えるだろう。

今後は、個別の分野における問題の深化もさることながら、当事者のパートナーシップの形成という観点から問題を把握する必要があろう。

(3)コスト負担の適正化

環境問題における当事者の拡大に伴って、問題解決に当たっての役割分担と責任の範囲を明確に区切っていく必要が生じている。環境問題が圏域住民の全てを巻き込んだ広がりを持つに至り、また、持続的発展が可能な社会の実現には、大量生産・大量消費・大量廃棄型の生活様式の見直しが必要であるとされる現状においては、地域住民の自発的な活動が不可欠であり、行政主体がその全ての解決を独自に図ることは不可能である。この「住民の自発的な活動」の要請は、行政側から見れば、「住民の自発的なコスト負担」の要請として言い換えることができる。環境は、その消費者を排除することができないいわゆる「公共財」の一面をもっている。従って、財の提供に係る役割分担とコスト負担を明確にしていくことがこれからの行政に求められる課題であろう。

(4)都市の「環境管理」

一方、都市における行政主体に目を転じれば、政令指定都市をはじめとした地方公共団体は、地域の環境と開発に責任を有する総合行政主体としてその権能を充実させつつあり、持続的発展が可能な地域社会づくりに責任を有する主体として、環境と開発を統合する観点からあらゆる施策を点検し、体系化していくこと

 

 

 

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