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一夕がサーバーに保存されている時、別のGISのソフトウェアでネットワーク環境からそのデータへのアクセスが可能となる。

このアクセスは、これまでのようなデータの変換標準フォーマットによるものではなく、オブジェクト指向のミドルウェア(例:CORBA/付属資料3(c)参照)によって可能となるものである。

 

●OGISの情報コミュニティモデル

OGIS情報コミュニティモデルとは、異なる情報コミュニティとの意味表現の手法を標準化するとともに、異なるコミュニティ間の意味変換を行なう標準的な手法を定めるものである。

 

●OGISサービスアーキテクチュア

OGISサービスアーキテクチェアとは、上述のようなコミュニティモデルを支援し、多様な地理情報にネットワークを介して遠隔アクセスできるような処理体系を示している。このような環境が実現すると、異なる情報コミュニティ間の地理情報のやりとりが可能となる。

このような抽象仕様の構築作業を通じ、最終的に多様なユーザーによってその恩恵が共有されることになる。

 

?今後の動向

現在、技術委員会(TC)は、基本技術と領域技術という二つのタスクフォースを設置している。

基本技術タスクフォースでは、抽象仕様の内容とそれに従った実装仕様について、RFP(Request for Proposal)形式等を通じて検討・評価している。RFP形式とは、まず検討テーマを参加企業に呈示し、それを受けて各企業がそのテーマに関する仕様案を提出し、基本技術タスクフォースがその内容に検討を重ねた上で発表するという仕組みである。

更に、基本技術タスクフォースの下にワーキンググループ(WG)とスペシャルインタレストグループ(SIG)が設置されている。WGには、カバレッジ、カタログサービス、ピクセル操作、データ交換等に関するものがある。一方、SIGには、WWWマッピングとサービスモデルに関するものがあり、WWWマッピングSIGでは、分散コンピューティング環境下でのネットワークを介した地理情報システムの検討を行ない、サービスモデルSIGでは、異なる地理情報コミュニティ間でのインタフェースの設計を行なっている。

また、領域技術タスクフォースでは、抽象/実装仕様の各ドメインにおけるプロファイルを作成し、その応用領域で他の仕様との調整を行なっており、この下にもWGが作られていく予定である。現在では、通信分野のWGがあるだけとなっているが、更に交通分野を対象としたWGの設置が検討されている。

今後、OGCと日本との関係が深くなっていくことが予想される。、既に、1995年11月に日本で設立されたNSDIPA(National Spatial Data Infrastructure Promoting Association)とOGCは密接な連携関係を持っており、今後の日本国内でのGISの発展に影響を与えることが予想される。

 

 

 

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