付録B(3)―国際的標準化の動向
ISO/TC211とOGCとは、GISにおける国際標準化を進めている主要な団体である。また、それらの組織で行なわれている議論の中で、重要な位置を占めているものの一つとして、インターフェースの共通化を実現するミドルウェアの仕様であるCORBAが挙げられる。以下、ISO/TC211、OGC、CORBAについて述べていくこととする。
(a)ISO/TC211
?概要
ISO/TC211は、国際標準化機構(International Standardization Organization)の技術委員会(Tc)の一つとして、1994年4月に設立された。
その目的は、地球上の位置と直接または間接的に関連付けられるオブジェクトや現象に関する構造化された標準体系を確立することにある。
参加は、各国の代表的な標準化機関の一つだけに限定されている。参加国は、アクティブ・メンバー(P-members)とオブザービング・メンバー(O-members)とに分けられ、1997年現在で前者は25カ国、後者は15カ国となっている。
日本は、設立当初からアクティブ・メンバーとして参加しており、日本標準規格(JIS)の調査・審議を行なっている日本工業標準調査会が、日本での窓口となっている。
?今後の動向
現在、WGで20項目に渡るテーマの検討が進んでおり、1998年末には各テーマ毎に標準仕様が出揃う予定である。
また、日本国内にも、「適合性と検証」「品質評価手順」という2つのテーマを検討する国内委員会が設けられている。この国内委員会の下に、5つのWGが設けられ、各テーマの検討が行なわれているが、現在人員不足のため今後増員される予定である。