付録A 地方公共団体における技術的調査
(1) 民間データの利活用に関する調査
(a)調査の概要
? 調査の目的
本調査の目的は、民間データの利活用の可能性を検証するため、ISO/TC211におけるデータ品質評価項目に準じて実験的な作業を試みることにある。
ISO/TC211の品質評価項目は、完全性、論理整合性、位置精度、属性精度、時間精度の5つの品質要素から構成され、指示された仕様どおりにデータができあがっているかどうかの達成度合いを数値化したもので示される。
なお、本調査は、あくまで実験的な調査であるため、非常に限定された区域におけるものであり、かつ評価項目についてもモデル的なものとなっている。そのため、実証するサンプル数が非常に少ないことや、評価のために設定した基準が必ずしも適正であるとは言い切れないことなどから、取得された既存データの品質評価の結果は、取り上げた既存データ全体の品質評価結果ではないことに留意する必要がある。
?調査の範囲と情報
今回の調査範囲としては、デジタルマッピングが整備済みの地方公共団体で、かつ民間が作成した地形データが存在する250m×250mの範囲を設定した。この範囲には、密集地と高低差のある丘陵地が混在している。
調査する情報は、当該範囲に係る地方公共団体が作成した地形データ(1/2,500のデジタルマッピングデータ)と、民間企業(A社、B社)が作成した地形データである。また、地形データの完全性(網羅性)を検証するために、航空写真(1/4,000撮影を1/500に拡大)を利用した。
地番図データに関しては調査範囲に係る地方公共団体が作成した地番図データを利用し、当該地方公共団体が管理している土地評価図(公図)を用いてこの地番図データを評価した。