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(b)システムインフラの整備段階

システムインフラ整備段階においては、ソフトウェア・ハードウェアを含むシステムインフラ構成を企画する段階と、実際に設計・構築していく段階において、技術的に解決すべき課題が存在する。

 

?システムインフラの企画段階における課題

この段階では、まず利用機能に関するニーズの反映が課題となる。この課題は、ニーズの高い機能の的確な抽出を行い、その上で、コストを勘案し、必要な機能の組合せを決定していくことで解決されていくものと考えられる。

また、既存システムとの連携のあり方が検討課題となる。まず、GISと既存システムの連携を図ることで生じるメリットを明確にし、連携するシステムの範囲を絞っていく。次に、技術的に連携が可能かどうか、既存LANは利用できるかといった点の検証を行うことで連携範囲をさらに絞る。この過程において、連携をとる範囲が設定されていき、解決が図られていくものと考えられる。

さらに、この連携の在り方を踏まえた上で、段階的な統合化の実施計画を策定していくことが課題となる。実施計画の策定において、GISの導入順位を決定し、将来的な機能拡充に備えシステム拡張性を確保していく。このため、分散処理等、システムのオープン化の促進が、解決の方向性と考えられる。

以上の事項を考慮して、開発体制を整備していくには、技術的観点から外部委託業者を評価・選定する必要が生じる場合がある。そして、その場合には、開発担当者間での合意を形成し、外部委託作業内容を詳細に規定した要求定義仕様書を策定していくことが肝要となる。

 

?システムインフラの設計・構築段階における課題

設計・構築段階では、共用可能なデータベースを整備していくことが課題となる。このため、交換標準に準拠したデータベースの構築、データベースの論理的な一元管理の実現、汎用性の高いインターフェースの導入という3つの方法の内、いずれかを選択して実施していくことが必要となる。

さらに、システムの安定性と容易な操作性の確保という課題についても、検討しなければならない。このため、セキュリティ機能等、統合型GlSの構築に当たり、重要となる性能の必要レベルを確定すること、操作しやすいGUI(グラフィカル・ユーザーインターフェース)を設計していくこと、そして、適切なデータの重ね合せ技術を導入していく必要があるものと考えられる。

また、システムの効率的な処理能力を確保していくためには、必要な処理スピードとデータベース容量を確保し、情報処理量のレベルに応じたネットワーク・パフォーマンスの維持を図ることが肝要となる。

 

 

 

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