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ただし裁判は高等裁判所からということにいたしました。

4つ目は市町村のランク別の権限委譲でありまして、政令指定都市、中核市、それから人口20万人以上の市というようなランキングに分けて、全体で34項目の権限委譲をどうにか示したわけでございます。私は決してこれで十分だとは思っておりませんが、ゼロ回答からそこまで持ってきたということでございます。以上が第4次勧告の内容でございまして、一応我々としては最終勧告のつもりでおります。

こうして今までの勧告に基づき、政府において直ちに地方分権推進計画を作ってくださいということにしたわけでございますが、橋本総理はなかなか欲が深くて、もう少し追加して作業しろとおっしゃいます。我々のほうももちろんご要望に沿いたい気持ちは十分にあるわけですが、今まで申し上げたように、例えば561項目の機関委任事務についても、一つ一つ膝詰め談判して決着をつけておりますので、これをもう一度むしかえすというのはなかなかむずかしいわけであります。何かいい手だてはないものかと、今頭を悩ませている段階でございます。みなさんからもいいお知恵がありましたら、この追加してやる仕事について是非お知恵をお借りしたいと思います。

いずれにしましても、今後、私どものこの4次にわたる勧告が政府の計画になり、そして法改正につながっていくわけです。勧告内容は各省庁と一つ一つ詰めてあるわけでありますから、100%実現できなければいけないものと思っております。行革会議のほうで省庁の再編が行われますが、これは2001年からの話です。我々の任期というのも2000年の7月2日まででございます。従ってそれまでの間に、すべて法改正により具体化してもらいたいと考えております。せっかく法律でこれだけの権限を与えられて、あるいは責任を与えられてやった仕事ですから、格好はいいが一つも実現しないというのでは国民に顔向けが出来ません。我々の仕事は住民自治という大きな目標から見たら、出発点かもしれませんが、しかしせめて出発点だけでもきちっと具体的に固めて実現するというのが、我々の責任であろうと考えてやってきたわけです。

これから先のことはやれることがあればやりますが、あとは監視に重点を移し、とにかく実現に力を注ごうと考えています。

もし国民の皆さんがもう一歩先に進めようではないかというお考えなのであれば、世論の支持によってそれは可能であると、私は思っております。そういう意味で是非ともみなさんの御関心と、御支援、御協力をお願いしたいと思います。ちょっと時間が過ぎましたが、以上で私の話を終わらせていただきます。どうも御静聴ありがとうございました。

 

 

 

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