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今後の課題は、たくさんありますが、絞りますと、政府に求めたいのは、権限とか税財源を最大限地方によこしなさいということが、第一であります。そして二つ目は、地方の問題は地方の裁量に任せるということを、より強調していってほしいこと。それから、自治体は分権に対して、受け身の姿勢ではなく、分権を勝ち取るんだというような熱意を、もっと住民に見せてほしいということであります。住民については先ほど島森さんがおっしゃっていましたけれど、国とか役所に対するお上思想を完全に払拭してほしいということです。そして、私については分権のありようについてもっともっと勉強しなければならないという反省を今日の会場で得たことであります。

 

篠崎

ありがとうございました。小早川先生、今後のスケジュールにもちょっと触れて、最後に、お願いします。

 

小早川

まず分権委員会の今後のスケジュールですが、今日まさに第三次勧告で、地方事務官がらみの社会保険・職業安定関係と、それから駐留軍の関係という、極めて重要で反響が大きいのですが分権改革全体の中ではかなり特殊な問題を、この第三次勧告で扱っております。あと、実は機関委任事務でもやっかいなのがいくつか残っておりまして、ご承知かと思いますが、一つは産廃関係です。それから、まだいくつかありますが、例えば、海岸法の関係です。これは中央4省庁共管ということになっていて、その調整もなかなか大変です。そういったものが残っております。それから、先ほど申しました係争処理の仕組み、これをなんとかなんらかの形で勧告の中に実現させたい。それからもう一つ大きな問題が、県から市町村への事務権限の委譲についてで、具体的な事例もさることながら、基準となる考え方を示したい。そのようなことが第四次勧告の中身ということになります。9月末と言われてるんですけれども、いろんな事情などからすると、10月に入るかもしれないといったような感じを持っております。

委員会のスケジュールの問題を離れまして、私の感想をもう一言付け加えさせていただきたいのですが、例えば、工場立地法というのがありまして、工場の緑地率についての基準を定めております。これは今度、自治事務にするということになりましたが、その場合、緑地率の設定を自治体に任せていいかという時に、環境保護のサイドからそれは危ないという意見と、企業の側からそれは危ないという意見と両方ありまして、通産省としては、当分は国が一定の率を示して、それを標準にしてやってもらう、ただ若干の変動は認めます、というようなことになっているんですね。これも一種の実験ではあるのですけれども、こういう言い方をされている限りは、なかなか国による縛りは無くならないわけです。両方の利害を調整し納得のいく処理ができるような、そういう実績をこれからどんどん示していただきたい。もう一つは広域的な問題ですね。

 

 

 

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