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ましたら、丹沢のカワガラスは巣の材料に人間の釣り糸を使って、それが絡みついてひなが死んだということがありました。それなんかは、非常に心配だと思います。

 

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前田亥津二氏

和歌山県自然博物館友の会会長、1925年和歌山県生まれ。84年海草郡美里町立国吉小学校校長を退職、現在に至る。また自然景観地における利用者のマナーの悪さに強い危惧を抱いており、今回の運動の提唱者となっている。

 

瀬田 太平さんは、さっき、皆さんの心にしみ通るように話を、かつ機関銃のように速くおっしゃったんですけれども、それでもまだ言い足りないところが幾つかあったと思いますので、お願いします。

太平 僕は、今ずっとお話を聞いていて、人間がつくり出したもの、便利なもので、役に立ついいものなんですけれども、最後は結局、末路は邪魔者扱いされている。僕は、マラソンを今始めています。大阪の豊中というところへ住んでいるのですが、ずっと箕面の方に回って、いつも練習するときは10キロぐらい、町中を走っているんです。そうすると、確かに豊中、箕面というところは整備されていて、目立つところには目立ったごみが余りないのですが、ちょっと道を外れると、畑の角とかみぞに空き缶がいっぱい落ちているんです。自動販売機の機械がいっぱいありながら、その横に空き缶入れがありながら、みぞに落ちている。

僕は、いつも思うんです。大体、自動販売機で販売されているジュース類は110円なんですが、これを120円にして、1本返しに行ったら10円バックという形にすれば、みんな捨てないと思うんです。特に、お母さんなんか、子供がジュースを飲んだら、持って帰っておいでや、持っていったら10円くれるからと。そうすると、物すごい数が減ると思います。これが1つです。

あと、駐車違反というのがありますね。あの意識は関西人、特に大阪の人、コマーシャルにあるように、「うちだけちゃうやん、前もとめてるやん」と。この意識がある限り、日本はシンガポールのようにはならないと思います。法律で定めても。

ですから、5年ぐらい前ですか、もちろんシンガポールへ行きましたが、ロケでザルツブルグというヨーロッパの町へ行ったんです。ウィーンの近くで、きれいな町なんです。そこで、ごみはないのかと言えば、ごみは一応あるんですけれども、子供たちが紙に包んだクレープのようなものを食べていて、子供たちのことですからそのままぽっと捨てたんです。でも、こらっと怒るんじゃないですね。全然知らない大人が笑って、それを拾って、笑顔で捨てて、また自然にしゃべりながらまた歩いていってはる。これが何かすごく身についている。

だから、特に大阪人――私も大阪なので、僕も駐車違反でお巡りさんにとめられたとき、「僕らだけちゃう、前も皆しいな」と言うているにもかかわらず、この意識を変えないことには環境美化とかその辺のところすべてに浸透しないんじゃないかなと思います。

だから、笑って拾える大人になろうと、この辺を言いたいなと思います。

瀬田 ぜひ、サブローさんにはこうして電波の中でといいますか、情報を発信していただいて、多くの人がそのことが気づくこと、その気になるようにしていただきたいと思います。

瀬田 ジャーナリストの神長さん、もう少しですが、どうぞ。

神長 今、サブローさんがおっしゃっていましたけれども、何かネタにしてもらって、それ

 

 

 

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