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だというんじゃなくて、自然に振る舞いながら楽しくおつき合いできるということですよね。

 

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そのようにして、始まったばかりの運動なんですけれども、今後どういうふうに発展させていきたいと知事は思っていらっしゃいますか。

西口 そうですね。皆、気持ちの持ち方が大事だと思います。この間、これも友人に勧められて「もののけ姫」という、今全国的に大変売れているアニメ映画をぜひ見るようにということで、私も見てまいりました。たかが子供の漫画ぐらいかなと思っていたのが、すばらしいアニメの高度な技術で大変きれいな映画でした。その中でうたわれているのは、人が自然をばかにしているというか、人と自然との関係が悪化している、そのことでどれほど神がお怒りになるかというような内容でしたが、自然と共生することの大事さが大変伝わってまいりました。今、大入り満員だそうですけれども、ぜひ皆さんにもごらんいただきたいと思います。特に、子供の時分からああいう映画を見て自然の大切さ、人間が自然をばかにしたら大きな罰が当たるというようなことを感じていただくのも1つの形かと思います。さっき申し上げた美里の青年の手紙を実は「県民の友」に載せたのですが、みんな1人1人が自覚をしていただくことがこの運動の広がりになると思います。

ですから、PR活動というか、そういったことをしっかりやることと、さっき申し上げた県民運動でもそうですが、従来のように、県とか行政が考えて、それをこうしなさい、ああしなさいというような、もうその時代ではないと思います。そのことを感じた1人1人がその気持ちになって自分らでグループをつくっていく、そういう動きがどんどん出てくることが一番大事かなと思います。

「百匹目の猿」という本があります。宮崎の幸島に、かつて猿が20匹ぐらい棲んでいて、今は100匹ぐらいになって海水浴をやったり、芋を海水で洗って食べたりする文化的な猿です。かつて20匹ぐらいのときに、それまではこすって芋の泥を落としていたのが、雌の1歳半ぐらいの猿が川の水で洗って食べて、ほかの猿も全部それをまねした。ところが、一番お年寄りのボス猿は絶対まねをしなかったというんです。それほど年配の人は頭が固いということで、若い女性の人たちは柔軟だということです。

雨が少なくて川が枯れて、海水で洗うと塩がついて非常においしいということで、それが広まった。そしたら、20匹の猿がだんだんふえて100匹目に達したとき、だれも伝えないのに高崎山の猿が同じようなことをしたというんです。京大の霊長研究所かなんかでやっておられるようですけれども、何とも知れない波動というようなものがやっぱりあるということです。

 

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ですから、我々の運動も、だれか1人がいいと思ったことをしっかり始めて、それがだんだ

 

 

 

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