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1. 「重油回収作業へのお礼」

 

琴引浜の鳴り砂を守る会 松尾 庸介

 

みなさん、こんにちは。琴引浜の松尾でございます。環境トークですので、直接的に環境のお話をするべきだったかなと思いましたが、私どもの琴引浜ではたいへんおおぜいのみなさんに、この春の重油災害でお助けいただきましたので、そのことを中心にして、恥ずかしながら原稿を書いてまいりました。朗読調になるかと思いますが、ひとつご勘弁願います。

本年1月のロシアタンカーによる重油災害の際には、ずいぶんおおぜいの人たちに回収作業に駆けつけていただきました。また、支援物資や義援金をお送りいただくなど、たいへんお世話になりました。まことにありがとうございました。おかげさまで、琴引浜も元の美しい姿に戻って、この夏も海水浴などおおぜいの人手があってにぎわいました。

私どもの琴引浜の鳴り砂を守る会も、結成以来10年を経過しましたが、これまでは、琴引浜の鳴り砂は自分たちの身近にある財産として守っていくのだという思いで、活動を続けてまいりました。しかし、今回の重油災害で強く思ったことは、これまでまったく見ず知らずの、おつきあいのなかった全国各地からのボランティアのみなさんが、寒風吹きすさぶなかで一所懸命に重油を拾ってくださるその姿を見て、琴引浜はけっして地元の私たちだけのものではなくて、日本中、いや、大げさにいいますと世界中のみなさんから、私たち地元の者がお預かりしている、共有の財産であるという強い思いをもつようになりました。

今回の災害は、たいへんに不幸な出来事ではありましたが、振り返ってみますと、私どもにとってはたいへん貴重な勉強の機会になりました。今後も、この機会を大切にして、みなさんと手をたずさえて、琴引浜と、琴引浜の鳴り砂を守り続けていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。貴重な時間をありがとうございました。

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