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地域資源の活用と町づくり

佐藤 仁(新潟県松之山鴨振興企画振興係主任)

 

松之山町の概要

松之山町は新潟県の南西部に位置し、関田山脈で長野県と接する面積86k苗、人口約3千3百人の小さな町である。

薬効高い湯として知られる松之山温泉は室町時代から続いており、越後上杉家の湯治場ともなっていた。

また、万葉の歌人大伴家持にまつわる伝説「松山鏡」も伝えられている。

小正月行事には全国的に有名な「婿投げ」と「スミぬり」がある。

婿投げは前年結婚した新郎を雪の斜面に投げ落とす荒っぽい歓迎行事、スミぬりは塞の神の灰を雪と混ぜ、だれかれとなく互いの顔に塗り無病息災を祈る素朴な行事である。

近年は暖冬続きで平均積雪も3m位に落ちついているが、59豪雪では約6mにも達した。

昭和58年にスキー場が完成し、温泉と合わせて通年観光が可能となった。

 

ビューティフルふるさと運動

昭和50年代後半、青年団の再結成、老人会と婦人会の奉仕活動の活発化が引きがねとなり、町・商工会・建設振興会までを引き込んだふるさと美化運動が始まった。

主な活動は主要道路沿いに花を植えることと、空き缶・空きビン拾いである。

この活動は現在も続いており、花の苗木は町等が負担し、植栽や管理は老人会等の奉仕活動となっている。

空き各・空きビン拾いは5月の連体開けの日曜日に全町で行われ、4tダンプ2台もの量が拾われている。

人間の心理は微妙で、花のある所にはゴミを捨てない。くずかごの回りはゴミだらけというデータを生かし、町では積極的に花の道を増やすとともに、沿道のくずかごを徐々に減らしている。

この効果は観光客が増加したにもかかわらず、拾う空き缶等の量が同じか若干減少していることを見ればわかる。

 

雪を楽しむ越絵松之山豪雪塾

主要道路の除雪が可能になったのは昭和50年代で、それ以前は陸の孤島といえるほど他地域との交流はなかった。

スキー場が完成しても観光施設でしかなく、大多数の町民は雪が少ないほど嬉しいというのが本音だろう。

その厄介者の雪を利用して都会の人たちと交流を始めたのが、浦田地

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