日本財団 図書館


地方分権推進フォーラム'97inきょうと

山崎 達雄(京都府企画環境部企画参事)

 

はじめに

昨年の10月21日、京都市内において、地方自治法施行50周年を記念し、地方分権の意義と今後の地方自治の在り方を考えようと、京都府・地方六団体、財団法人自治総合センターの主催で「地方分権推進フォーラム'97inきょうと」を開催した。

当日は、地方分権推進委員会が一連の勧告の締め括りとなる第4次勧告を行った直後のフォーラムであったこともあり、地方分権についての関心は予想以上に高く、京都府内はもとより、全国各地から行政関係者を中心に、地方議会の議員、学生や地域住民の方々など、900人を越える人々の参加をいただいた。

基調講演では地方分権推進委員会の諸井虔・委員長から、分権型社会実現の必要性や勧告の主な論点などについて話を伺った。パネルディスカッションでは、地域活性化研究所代表で地方分権推進委員会の部会長代理でもある川島正英氏をコーディネーターに迎え、パネリストには、地元から荒巻禎一・京都府知事、野中一二三・園部町長、道端進・京都中央信用金庫理事長、地方分権推進委員会からは小幡純子・上智大学教授、森田朗・東京大学大学院教授が出席し、税財源問題や都道府県と市町村の関係、市町村の規模や合併問題などについて、様々な視点から興味深い議論が交された。

基調講演〜地方分権勧告のねらいと今後の課題〜

基調講演で、諸井委員長は、まず、現在の中央集権型の行財政システムについて、経済発展と平等な社会をもたらした点は評価しながらも、近年は様々な面で行き詰まりを迎えていると切り出した。さらに、「全国画一的な行政を進めることは、ある地域にとっては行政サービスが不十分であったり、また、他の地域では不要なものまでもが供給されるといった行政の無駄につながる」とし、このため、権限や財源を地方へ委譲し、地方が地域住民の意向に沿って、独自の行政を展開できるように改めるべきだと力説した。

勧告において、機関委任事務制度の廃止に伴う事務の区分で法定受託事務が4割に上っていると批判の声

008-1.jpg

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION