mony 47,621GT(図48),飛鳥28,717GT(図49)等の客船が相次いで建造されました。なかでもCrystal Harmonyは世界最大級,最高級のクルーズ船で,日本としては昭和初期の客船群以来の大型客船の建造で,不況の中にも華やかさを与えました。
また,高速客船が次々に建造されて,世界的に高速船時代の到来を感じさせました。この中にあって運輸省の輸送のモーダルシフト政策の一環として,テクノスーパーライナー(TSL)プロジェクトが官民一体で実施されました。これは速力50ノット,航続距離500浬,貨物積載量1,000トンの高速貨物船の開発を目指したもので,翼浮上型(Fタイプ)(図50)及び,空気浮上型(Aタイプ)(図51)の2船型について開発が行われ,それぞれ17m及び70mの実海域実験船が建造されて,所期の性能を発揮することが確認されました。また,Aタイプについては,実際に200トンの貨物を積んで,デモンストレーションを兼ねて数多くの実験航海を行って実用に耐えることが実証されています。また,電磁力を利用した新しい船として,超電導電磁推進船ヤマト-1がシップアンドオーシャン財団で開発され,実際に電磁力で推進されることを実証して注目されました(図52)。
一方,海洋空間を利用して,浮体構造による海上空港や,陸上では立地困難な各種構造物や工場等の計画が検討され,メガフロート計画として進められています(図53)。