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(68) 座屈により大きな圧縮歪を受けた鋼構造部材の亀裂強度に関する研究(その2)

山本元道,矢島 浩(広大),栗原正好(NKK)

守田 聡(広大大学院)

一般船体用軟鋼板・50キロ級高張力鋼板では,圧縮の塑性変形(圧縮歪)を受けると,伸び・絞りが小さくなり,破壊靭性値が低下することが知られている。鋼構造部材が座屈崩壊した後,引き続き圧縮.引張の繰り返し荷重を受ける場合に,座屈部内側(圧縮側)から発生する亀裂に関して定量的な評価を試みた。

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(69) 接合境界面近傍にき裂を有するクラッド材の破壊強度

小田 勇(熊本大),白石和彦(熊本工大)

銅と軟鋼から成る爆接クラッド材の接合境界面近傍に境界面と直角方向のき裂が存在し,き裂線に垂直方向の引張荷重が加わる場合の2次元的な変形・破壊挙動を種々の温度下での実験とFEM解析により検討した。き裂が高じん性材側で発生することが想定される場合でも,その前方に高強度の異質材が接合されているようなクラッド材を採用することによって最終的な破壊強度の上昇に寄与できることなどが明らかになった。

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(70) 超音波探傷による欠陥検出と破壊強度評価

増田智紀(東京ガス)

町田 進,吉成仁志,榎並啓太郎(東大)

最近,放射線透過試験に代わりうる新しい非破壊検査方法として,超音波自動探傷試験が注目されている。一方で,非破壊検査と破壊力学とが有機的に結びついた強度評価手法を探るべきとの認識が高まりつつある。このような背景を踏まえ,本研究では溶接欠陥を入れた試験体を用いての超音波自動探傷試験ならびに破壊試験を行った。その結果,超音波探傷による強度評価が有効であることが分かった。

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(71) 固有応力法の線形破壊力学への応用

豊貞雅宏(九大),松岡一祥(船研),丹羽敏男(九大)

き裂先端に生じる塑性域内のき裂線直角方向の塑性ひずみが一様であると仮定して,固有応力法における仮想体積力と仮想外力を与え,塑性問題を弾性学的に表現した結合力モデルを構築した。その結果,塑性域の形状を代表すると考えられる仮想体積力の着力点の形状は,塑性域の拡がりの形状と酷似していることが判明した。さらに,中央貫通き裂に対して提案したモデルによりき裂開口変位(COD)を求め,弾塑性有限要素法ならびにDugdaleモデルによるCOD予測値と比較し,その妥当性を示した。

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