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(60) ボクセル情報を用いたソリッド構造の解析法

鈴木克幸,大坪英臣(東大),寺田賢二郎(東北大)

米里直樹(Andersen Consulting)

現状の有限要素法を用いたソリッド構造の解析の非効率性を改善すべく,ボクセル情報を用いた効率的なメッシュ生成手法および解析手法を提案し,システムの構築を行った。解析ボクセルと形状ボクセルという2種類のボクセル情報を使うことで,自由度を増やすことなくより正確な応力を求めることができる。

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(61) 矩形タンク側壁の接水振動解析

遠山泰美,明石委子(三井造船)

液体が満たされた矩形タンク側壁の接水振動解析を級数展開による解析的な手法,及び境界要素法と有限要素法の組み合わせによる数値解析により行なった。固有値解析の他,タンク全体が水平または上下に加振される時の側壁パネルの振動応答についても解析した。任意の寸法を持つ矩形タンクの固有振動数と応答量を簡単に推定するためのグラフを提示した。

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(62) 縮小付加質量マトリクスにおける回転ベクトルの影響に関する研究

船木俊彦,林 茂弘(阪大),満島 誠(阪大院)

縮小付加質量マトリクスを用いて船舶の接水振動解析を行う場合には,縮小付加質量マトリクスにおける回転ベクトルの影響について詳しく評価する必要がある。

本研究では,箱型模型船の有限要素解析から得られた固有ベクトルの船体上下方向成分のみ,あるいは6方向成分全てを採用した場合での構造変更解析による固有値推定精度について比較検討を行った。

その結果,高次振動モードにおける固有振動数の推定精度に対して回転ベクトルの影響は大きく,縮小付加質量マトリクスを利用する場合には,回転ベクトルを考慮すべきであることが確認できた。

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(63) 振動境界層理論に基づいた減衰マトリクスにおける速度分布修正係数の決定方法に関する研究

船木俊彦,林 茂弘(阪大),古池健太(阪大院)

流体による減衰機構を解明するため,既に等価線形減衰マトリクス[Cω]が導かれている。本研究では,速度分布修正係数βωを新しく導入し,これを用いて[Cω]を再定義した。このとき,[Cω]は従来のものと全く同じ値となり,[Cω]においてβωは比例定数となることを示した。そして,このβωを水深による影響を評価するためのパラメータとみなし,これを実験的に決定する方法を開発した。今回は,振動応答曲線適合手法の一つである偏分反復法を用いた定式化を行ぃ,得られたβωを用いれば浅水域での周波数応答を再現できることを確認した。

汎用ソフトウェア(Star System)及び本論文で示した2通りの曲線適合で得られたξsr.(構造部分のモード減衰比)とβωの値を下表に示す。

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