
(40) 多点係留系の波浪中漸次崩壊特性
齊藤昌勝,加藤俊司,安藤裕友(船研)
多点係留された超大型浮体式海洋構造物の係留系において,その一部がダメージを受けた場合にその影響が他の係留装置におよび係留系全体が崩壊する事故が想定される。本論文ではこのような係留系の漸次崩壊現象を水槽実験により確認し,この実験に基づいて構築したモデルを用いたモンテカルロシミュレーションによって初期破壊後の漸次崩壊の確率を求めるケーススタディを行った。崩壊確率は崩壊に要する時間の分布によって表され,その期待値は初期破壊時の有義波高が小さくなると増大するが,多くの場合極めて速やかに崩壊に至っており,初期破壊後の冗長性に乏しい。

(41) 超大型浮体の全体構造解析のための構造モデル化に関する研究
藤久保昌彦,矢尾哲也(広大),和田 優(広大院)

(42) 浮体の非線形運動の数値計算法に関する研究(その1)―二次元浮体の波浪中大変位運動
木下嗣基(東大院),影本 浩,藤野正隆(東大)
浮体の波浪中運動を推定する方法はポテンシャル理論を用いたものが一般的であるが,強非線形現象への応用は困難である。本研究ではCFDの手法を用いて,連続の式とオイラーの運動方程式を直接解くことにより浮体運動を求める。この方法は完全流体中ではポテンシャル理論と比較して変数が増加することになるが,三次元強非線形問題の解析においては,自由表面の扱いなどの面でむしろ有利とも考えられる。さらにオイラーの運動方程式を直接解いているので,粘性影響もプログラムの若干の修正で考慮出来る。本論文では第一報として二次元浮体の波浪中大変位運動の解析を行う。

(43) 東京湾に係留されたメガフロート浮体周囲の海洋物理環境の計測
藤野正隆,加藤孝義,北澤大輔(東大)
経塚雄策(九大),大川 豊(メガフロート)
多部田茂,金井 大,河合剛充(横国大)
追浜沖に係留されたメガフロート浮体が周囲の海水に与える影響調査のため,浮体中央と浮体の北西隅の2カ所で海水温度鉛直分布の計測を平成8年8月から約11カ月行った(現在も継続中)。その結果,2カ所での海水温度は極めて類似しており,本計測結果による限り,浮体の存在はその周辺の海水温度の分布には顕著な影響は与えていないことが判明した。

前ページ 目次へ 次ページ
|

|