
(32) ポンツーン型超大型浮体式海洋構造物の波浪中弾性応答に関する研究(第3報)
-非線形波力の影響-
前田久明,居駒知樹(東大生研),増田光一(日大)
超大型浮体式海洋構造物は風波の範囲での応答は,波上側では大きいが浮体中央部になるに従って小さくなる。これは,浮体長と比較して入射波の波長が極めて短くなるためである。海洋波には2次長周期波が存在し,浮体の水平動揺には重要となる。しかし,この非線形波の波長は超大型浮体に対しては十分に比較し得るものとなり,これによる弾性応答が発生する可能性がある。
本研究では,圧力分布法によって2次波力を算定して超大型浮体の2次弾性応答についてこれを確認した。

(33) 超大型ポンツーン型浮体の波浪中弾性応答計算
大松重雄(船研)
超大型浮体の波浪中弾性応答の新しい計算法を開発した。計算法としては,流体力の計算には良く知られた3次元領域分割法,弾性挙動の表現にはモード展開法を用いているが,流体力係数の計算において,「長方形区域におけるHelmholtz方程式のDirichlet問題の解」の表現を用い,圧力分布の積分を解析的に行うことにより計算時間の短縮を図っている点に特徴がある。この計算法によりL/λ=100程度でも比較的短時間で高精度の計算が可能となった。

(34) 浅海域における浮体式波力装置の係留システム設計
大澤弘敬(海技センター),永田良典,(IHI)
宮島省吾(三井昭研),前田久明(東大生研)
本論では,海洋空間の高度利用とともに増加が見込まれる浅海域の沖合に係留された浮体式構遺物の係留システム設計の一助となるように,沖合浮体式波力装置「マイティーホエール」の基本条件の設定から,厳しい自然環境下での弛緩係留の実現性の検討,安全性確認に至る,連の簡易推定法,シミュレーション手法などの設計手法の内容を示すとともに,設計を行う過程で抽出された知見,留意点に関して報告する。

(35) 長大弾性浮体の空気圧式姿勢制御(第1報)
-簡易数値シミュレーションによる基礎的検討-
平山次清,馬 寧,斎藤靖治(横浜国大)
浮体式空港の場合弾性変形を含めた姿勢変化を基準以内に納めるためには剛性を強くすれば対応できるが,逆に柔軟にしてアクチュエーターによる能動的制御による方向も考えられる。本論文は浮体式空港だけでなくより一般的な長大浮体の変形の空気圧式制御方式による能動的な制御を,数値シミュレーションにより検討し規則波中実験とも比較し制御の有効性を検証するものである。

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