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5.11資料とりまとめ

1.ジェットフォイルの運航

各社航路一覧表にあるように、代表的に見れば、日本海側の新潟・佐渡島離島航路、博多(福岡)・厳原(対馬)及び博多(福岡県)・釜山(韓国)の冬季荒天海域、太平洋側の鹿児島・宮之浦(尾久島)、宮崎・安房(尾久島)航路冬季荒天海域及び神戸・関西国際空港内水面短距離(発停回数の多い)高速航路と言うように、ジェットフォイルの特性を生かして、外洋の波、内海・平水区域の船舶輻輳水域とあらゆる水面で運航されている。即ち、約20年に及ぶ実績の上で航行時間・運航回数・気象・海象等いろんな使われ方がされていると言える。

 

2.点検整備の実態

ジェットフォイルの主機関であるガスタービンエンジンの整備は、アリソン社・オーバーホール・マニュアルに基づいて実施され、5.8の表にあるように、アリソン社にオーソライズされた日本のメンテナンス・センター2社即ち、川崎重工業?・三菱重工業?で各船社のガスタービンエンジンのHSI/TBO整備がなされJFの安全運航に寄与してきた経緯と共に佐渡汽船?は、香港のFEH社を参考にHSI整備体制の確立に至った歴史を有しているとのことであった。

5.4部品交換状況にあるように航行時間、発停回数、運航時間等の航路事情を考慮し、TBO及びHSIで部品を継続的に修理し、取り替え等の点検・整備を行えばガス・タービンエンジンの現在の整備状況には問題がないことが分かった。

 

3.開放整備方式状況

現在ガスタービンエンジンの整備は、5.3開放整備方式にあるように、T80及びHSI検査点検要領により開放整備が行われている。又部品交換、修理の整備基準はアリソン社・オーバーホール・マニュアルの基準値で整備が行われている。このような整備が行われれば問題はないものと思われた。

 

4.ガスタービンエンジンの事故実態

JFから取り降ろし修理をしたガスタービンエンジンの事故について調査を行った。

入手した昭和60年から平成9年9月までに起きた我が国における全エンジンの事故については、一部は、未解決の問題もあるがすでに略対応処置が済まされており、現在のところ重大な事故は発生していない事が分かった。

 

 

 

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