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3)苦情情報について

苦情発生の情報を入手した場合,メーカは速やかに応急処置を連絡し,徹底的に原因を追求し,再発防止対策を実施し,修繕事業場は,機器の修理に際して,重要部分に,異常な摩耗・腐食・亀裂及び変形などを発見した場合は,速やかにメーカに報告し,指示を求めることが必要である。

この際,ユーザの使用条件が,メーカの示す制限条件を超えている場合や,知識不足から,いわゆる「無茶使い」などの場合は,ユーザに対して安全で正しい使用方法を指導して苦情の再発防止を図ることが必要となる。

(3) 修繕工事管理の重要性について

修繕工事を計画的,能率的,かつ,合理的に推進し,品質・納期・価格の三要素を十分に満足させ,事業場の収益性と健全性を維持するためには次の事柄が大切である。

1)社内標準化の促進について

舶用機器についての技術的知識,知識に基づく判断力,品質管理保証システムの活用,修繕工事の管理,適正原価の管理,修理技術の習得,船舶安全法の知識及びメーカとの連携などを適切に管理するためには社内標準化は欠かせぬ要件となる。

2)計画性の重要性について

修繕工事の開始にあたり,その種類・価格・納期・場所・期間・方法などについて,資金計画・設備計画・要員計画・部品計画及び利益計画を基盤にした最も合理的かつ経済的に工事計画を編成する。

なお,修繕工事計画は期間の長短に応じて大日程計画・中日程計画・小口程計画の区分や,計画機能に基づいた手順計画・調達計画・外注計画・作業計画などが必要となる。

3)品質保証対策の強化について

詳細は1.品質の維持と保証を参照されたい。

4)作業の基本的条件について

修繕作業の合理性や効率性を促進するためには,作業改善原則である「作業の5大任務」の周知徹底を図り,効果的に運用することである。

 

 

 

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