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2)品質保証のための人的要件の充足について

修繕事業場では適正な人員,及び工事管理者並びに品質管理責任者の確保が必要である。

3)品質保証のための技術的標準の整備について

舶用機器に関する整備の技術標準や修理工事の技術標準は最も大切な指針であり,信頼性管理とのかかわりのあるものは信頼性に富む技術的ノウ・ハウとなる。

4)品質保証のための精度基準と管理技法について

品質に関する基準は,工程能力・品質水準・計測機器較正基準などが代表的なものであり,管理技法は統計的管理技法・自主検査制度・設備全般の定期検査制度・小集団活動(QCサークル活動)の適用である。

5)保証品質の記録・解析・評価について

品質記録の確実な確保と統計的解析及び品質評価を実行することが大切である。

6)品質保証のための教育制度の確立について

標準化と品質保証に関する教育制度を明確にして人材育成を図ることが必要で,社外教育訓練機関の活用も考慮するべきである。各都道府県で実施している生涯能力開発給付金制度を活用することも効果的である。

(2) 情報の交換

1)修理データの活用について

修繕事業場は,修繕工事を行った機器の各部分に関する修理前の検査記録表を作成し,技術標準,取扱説明書,修理又は整備基準などに従って必要な部品を交換または修理し,組立,調整運転を行うが,修理工数見積り,必要部品の予測と手配。次期検査時の不具合発見の手掛かり,各部品の耐久性や信頼性の改善データとなるなどの理由から,計測値,使用条件,保守条件,故障発生状況などを,交換部品リスト及び修理工数とともに,点検記録として修理報告書にまとめ,メーカにも通知することが必要である。

2)情報の相互交換による技術改善

メーカは自社の舶用機器に関する技術情報(取扱説明書,整備・修理基準,性能標準,設計変更資料など)を修繕事業場に提供し,修繕事業場は,修理工事により発見した技術的な取扱上又は構造上の改善事項や要望事項,さらに修理工事報告書を可能な範囲でメーカに提供する。

このような相互の情報交換により,メーカは機器の改良や新機種製作の貴重なデータを得られ,修繕事業場は修理や整備の判定基準及び,最も経済的な修理作業標準設定に役立てることができる。

 

 

 

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