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5.2.8 購入品・外注品の管理

 

製品の高度化、複雑化、多様化が進むにつれて、その製品に使用する材料、部品の全てを自工場で生産することは、技術的にも、経済的にも、さらに企業の規模のうえからも困難である。このため、これを他企業に依存する方がはるかに有利な場合があり、外部から部品や材料を購入したり、製品の一部を他工場に注文し生産することがある。

この場合、購買、外注品の品質が必要とする条件を満足しているか、否かは、完成品の出荷品質に重大な影響を与える。

使用目的に適した品質の部品を、必要な時期に、必要な量を、安い価格で購入することが外注管理の基本である。

外注業務の正常な状態を維持するには、技術、製造、検査、販売の各部門との密接な協調により、適正な品質の決定、適切在庫の決定が必要である。

(1) 購買と外注

購買も外注も、組織外から物を購入することであり、その考え方には大きな差はない。しかし、購買品は多くの場合、性能、寸法等の品質基準の設定の殆んどが販売側の責任においてなされるもので、中ないし大企業で生産されている。これに対して外注品は前記事項の設定が購入側で行われるもので、特殊な部品の製造や、製品の一部の加工を依頼するもの等であり、小企業で生産される場合もあれば、自社より規模の大きい企業に発注される場合もあるが、通常小企業の場合が多い。従って、外注の場合は単に資材調達という面だけで解決されるものではなく、経営諸機能の基本問題として管理全般についての考慮をはらわなければ円滑な管理は望めない。

殊に外注の場合、材料の支給、図面の貸与等、別の問題が随伴していることと、発注側全体の生産管理担当部門や、その他の部門との関連があり、業務上の流れとして制度的に確立しておく必要がある。

そのためには、購買、外注管理規程にもとづき、購買規格、外注規格、発注、購買受入方法に関する規程、購買・外注工場選定基準、外注工場指導基準、外注工場における測定器具の管理基準等の規格、基準類等を制定し、各部門の業務及び責任体制を明確にしておかなければならない。

また購買仕様書、外注仕様書、図面、購入先一覧表、外注先一覧表、受入検査記録表、不良統計表、主要外注工程一覧表等の書類が整備充実され、これらの運用が確実になされなければならない。

(2) 外注の管理

外注を利用する目的は、自社の能力、設備および技術の不足や欠陥等を補うため、販売量

 

 

 

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