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ステップ(7) 量産試作・試験

量産試作とは、開発完了後生産準備段階において量産の開始に先立って、量産と同じ生産手段(模型・プレス型・設備・作業方法など)によって外注を含む全工程で少量の試し流し(パイロット生産)をおこなうものであり、これによって生産準備が完全かどうかを評価し量産への移行、発売の可否を決定するものである。

量産試作によって作られた量産試作品は諸試験検査により「製造品質」の確認評価がおこなわれる。並行して各製造工程では量産試作品の試験結果をフィードバックすると共に、量産試作品のデータを解析して品質、コスト両面での確認を行なう。即ち

(品質面)

○ その部品の品質標準は適正か

○ 品質標準に対してその工程能力は適合しているか

○ 作業管理、品質管理上のチェックポイント、標準は整備されているか

(コスト・生産性面)

○ 計画の生産量を消化できる設備、人員配置になっているか

○ ネック作業工程はどこか、問題となる工程は残っていないか

○ 作業標準にムリ、ムラ、ムダやヌカリはないか

○ 作業者の訓練、習熟はよいか

等により品質面、コスト面から量産体制上不充分の個所を検出して改善充足すると共に、この間に生産用図面の修正もおこなわれ、また外注、購入品の仕様の確定、価格の最終折衝も進められる。

(1) 是正処置

量産試作・試験の結果発生した問題点は、製造品質の問題、製造工程及びそのシステム上の問題を、全てこの段階で解決して次のステップヘ進むようにすることが肝要である。

そのためにはQC的に反省し、原因の調査、問題の解析ならびに必要な是正処置を行い、その効果を把握して量産段階に問題を持ち込まないことである。

そうするためには、きちんとした管理・運用の手順書を設定しそれを守ることである。

(2) 予防処置

量産に移行した段階で、品質・コスト・生産量が所期の目標を十分満足するように、これらに影響する工程・作業・品質システムなど原因系をきちんと整理して、それらの要因を分析し、予め除去し管理することが肝要である。

この段階での予防処置は、量産審査会を実施するなど手順を定めて、再発防止の考え方から未然防止の考え方に転換して仕事をするように改善し、管理しなければならない。

 

 

 

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