日本財団 図書館


設計には設計日程管理、コスト低減活動、技術企画、特許管理、管理技法の導入など種々の管理業務があるので、これらについて効率的な管理システムを規定化する必要がある。

(4) 設計審査(Design Review:DR)

大きな品質問題が発生する度に言われる言葉が「設計段階での検討不充分」である。設計段階で何故見付け出せなかったのかを反省して再発防止を図るにしても概念として「設計品質」の重要さが認識されても、具体的に設計の中に品質を作りこむための手段は必ずしも充分なものではない。

このために従来からの検図的なチェックの外に企業内の各部門から専門者を集めて設計審査会が設けられる。

設計審査にあたって

? 担当者から、事前に審査者に十分な説明が行われること

? 必要データ資料が配布されること

? 審査者は自分の担当範囲について充分審査すること

? 設定した設計値の根拠、理由、プロセスを設計者から明確にさせること

? 設計審査の記録は保管すること。

等が重要である。また、設計審査をやっていてもトラブルが起こった場合は、何故そうなったかを追求し改善し、プロセスをレベルアップしていくところに意味がある。ただやっているから良いのではない。

過去の品質問題を組織的に収集し、可能な限り事前に解析する方法にFMEA(Failure Mode and Effect Analysis)があり設計審査に応用されている。審査の奥行きを深めるのもこのFMEA手法である。また審査対象には最も問題の発生しやすい新機構、新材料採用の場合の予想される故障解析を忘れてはならない。

(5) FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)

1. FMEAとは

? 邦訳すると「故障モードの影響解析」といえる。

? 品質上の失敗による使用者ならびに関連する人々の損失が、現在のように莫大なものとなるにつれて、トラブルの発生はただ一度でも起こさせてはならないものとなった。今までのような再発防止では手ぬるいのである。未然にトラブルの発生を防ぐ予防対策を考え出さねばならないということになる。

? 1950年代初期にジェット・エンジンを装備した新しい戦闘機の開発に関連して、担当の米国海軍およびグラマン航空機株式会社の技術者達により、従来と異なる新しいアプローチの解析方法が考え出され、これがだんだんと改善されて有効な設計保証の解析法

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION