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れが設計段階における品質保証活動の第一歩でもある。

品質目標のポイントとしては

? 目標値は具体的であること。

? 市場での使用条件を把握してその変化を的確にとらえ設計に反映すること。出来た時点で使いものにならないという結果も生じかねないからである。

? 経済性・信頼性・整備性など使用者から見た立場を配慮すること。

使用者の経済計算をやって見てその上に立脚する必要があり、省資源、省エネルギーが叫ばれている今日、重要なポイントである。

? バラツキの概念を配慮すること。

複数個の物をつくった場合必ずバラツキが生じる。そのバラツキを考えに入れても要求する機能がえられるような目標を決める必要がある。

(2) 工程能力の調査

品質水準には設計の品質水準(設計品質)と製造の品質水準(製造品質)とがある。製造品質は設計品質を目標として具現化するものである。設計部門が工場の工程能力をよく把握して設計すれば、設計品質と製造品質とかけ離れることはないが、工場の工程能力のみを重視すると市場の要求品質を満足することが出来ない品質を設計してしまう問題が生じる。

工程能力が設計品質を上まわっておれば問題はないが、その逆の場合は設計品質水準に修正を加えるか、或は工程能力改善を製造部門に要請するか、或はその両者ですすめるかは、設計部門が判断しなければならない重要な事項である。

(3) 設計の標準化

品質管理の基幹になるものが標準化であり、また設計部門は標準化活動の主体をなすもので、最も大きな役割である。急激な技術革新、製品の高度化、複雑化、多様化、生産管理のコンピュータ化への対応、生産の自動化への対応などの諸要因から設計の標準化の重要性が更に深くなっている。

具体的な設計の標準化としては

? 設計基準(設計標準)

設計基準とは設計のよりどころとなる技術基準であり、設計に際し遵守を強制されるものから、参考に供するものまで種々含まれる。

? 図面方式と図面管理

図面は製造部門に対する設計者の言葉であり最も基本になる。図面方式の明確化と製造しやすい図面が重要である。

? 設計管理業務の標準化

 

 

 

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