(イ) 造船所、船台付近などのように、上から物の落ちてくる危険のある場所では安全帽は確実にあご紐をしめてかぶる。
(口) 高い場所での作業のさい、つい落を防ぐ命綱(あまり長い命綱はかえって危険である。長さは1.5m位が適当とされている)の使用。
(ハ)二重の安全対策
(。) 命綱をつけていても足場が十分か確認する。
(「) ものを吊る場合も、吊りロープは1本でなく、別にもう1本補助ロープを取付ける。
(」) 安全装具は常に点検し、異状のないことを確認する。
(ニ) 造船所で作業する場合の一般的注意事項は下表の通りである。
安全上の指示事項
○特別に指定の場所以外は必ず安全帽を着装し、あご紐を確実にしめること。
○作業中のくわえ煙草、歩行中の喫煙はやめること。
○定められた場所以外で許可なく火気を使用しないこと。
○クレーンのつり荷の下や、高所作業が行われている下は絶対に通らないこと。
○各種資格を必要とする作業は免許証を携帯すること。
○作業に必要な保護具は着装して正しく使用すること。
○構内では自動車の制限速度等定められた交通ルールを守ること。
○船台桟橋では自転車、単車の下車通行を守ること。
○作業に関係のない工場や、作業場へみだりに立ち入らないこと。
○作業場所は常に整理、整とんし、作業が終った後のスクラップゴミ等は片付けること。
(c) 整理整とん
安全は整理整とんに始まり、整理整とんに終るとさえいわれている。しかし職場では実際になかなか実行されていない事項である。特に船上でのいかだの積おろし、積付はものの転倒、接触、つまづき等いつどんな不測の事態が起きるかわからないから、出来るだけ環境が整理整とんされていることを確認してから作業にかかること。
(d) 人間関係の円滑化
さまざまな性格や考え方、趣味を持った人々が集まって、同じ目的に向って仕事をしているのが職場である。そこでのいちばん大切なことは互いの信頼関係であろう。
管理者はつねに作業者とのよき信頼関係をつくるため自分自身の啓発と向上について努力するとともに、部下の作業者に対して、常々次のような観察が必要である。
○顔色や動作から、身体の調子が悪そうにみえる者はいないか。
○あせり、不満など心の平静さを失っている者はいないか。
○技能に習熟し、不安を持たずに作業をしているか。
○職場の空気をみだすような作業員間の不和を見のがしてはいないか。