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? 膨脹式救命いかだとその整備体制の沿革

 

マルコポーロの東方見聞録(1271〜1295)によると、当時インド洋を航海する船が、船体のもろさからしばしば難破するものが多く、乗組員や商人たちは皮袋を携帯していて、天候が険悪になり、海が荒れはじめると、宝石や食糧、衣服等をこの皮袋につめ、それらの皮袋をまとめて縛り、一種のいかだをあらかじめ作っておき、いよいよ嵐に要れて船が沈没する事態になると、乗紳員逹はこのいかだにのり移り漂流した。漂流中に皮袋に入れてある飲食物を必要量だけ取り出し、再び息をふきこんで皮袋をふくらます方法で、海上200浬にも及ぶ数日間の漂流に耐えたと記されている。発想的にはこれが現在の膨脹式救命いかだの起源といえるであろう。

次に近代の膨脹式救命いかだの発達といかだ整備事業の強化の過程を示す。

 

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