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6 工業、水、環境

 

レスター・ブラウン氏の工業化への非難には少し真実性がある。工業は水の闘争劇で量と質の両方において、必ずしも主犯ではないとしても犯人の一人である。火力発電所などの工場は都市に位置する傾向があり、相当の水供給能力と水処理能力にかなり重い苛を負わせている(第3章)。アジアのほとんどで、工業による水の取水は都市地域の家庭用の取水を上回っている。工場は独自のポンプ井戸に依存する場合が多く、過剰な地下水の取水と地盤沈下の問題が悪化している。しかしバンコク、北京と大阪のようにまったく異なった都市の経験から、特に地上水源の供給が与えられている場合は、大きな産業ユーザを規制することは可能であることが示されている。また、たいていの工業水は飲料水よりも低品質の水準であるため、ほとんどの生産プロセスでは水を数回リサイクルすることが容易である。そのため工業用水の需要は生産活動を削減せずに、おそらくもっとも簡単にカットできる。1970年代に厳しい排出基準を課して以来、日本とアメリカ両方の生産量が継続して増えているため、ある程度までであるが、実際に工業用消費水需要の合計は下がり、抑えられている。新たな資本投資により、より大きな省水機能を設置することが可能になったことで、少なくともいくつかの点おいて、経済成長が水環境の改善につながることができるという議論をさらにサポートするものとなっている。

1980年代には中国においても都市の大企業が水消費率や排水放出を削減した。

中国に限らず、現在の最大の懸念は中小企業である。というのも水の全使用量はその大企業ほど少なくなるかもしれないが、排水を監視することが困難で(したがって「ノンポイントソース」と見なされている)、さらに厳しい財務、装置、経営の制限のもとで運営しなければならないからである。残念なことには、有害な産業の多く、たとえば製紙、電気メッキ、織物浸染、革加工などは中小企業による運営に頼っていることである。

中国の特徴は「郷鎮企業」という中小企業(TVE)である。この中には大規模な産業も

 

 

 

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