の間の割当をどうするかという問題と地域別に、たとえば農村と都市との間あるいは同じ流域の農村間の需要に対する割当の問題がある。
第2は国際間における水利用の配分計画である。現在、世界には2ヶ国以上にまたがっている河川が少なくとも214あるといわれるが水の利用に対する紛争は国際的に複雑、深刻である。同じ川の上流、中流、下流に異なった国が位置しているばあい、その利用率について効果的、合理的な合意が行われているばあいは極めて少ない。
水資源の不足が一層厳しくなりつつある今日、このような国際間の紛争を未然に防ぐための効果的、合理的な協定の締結が急がれねばならない。
第3の緊急対策は水の効率的利用と再利用の促進である。科学、技術の進歩と企業の関心、そして個人の生活におけるきめの細かい水使用の配慮は水資源対策の基本であるともいえよう。
5 人口コントロールは基本対策
有史以来の人口の激増は地球の扶養力と対決する規模のものとなっている。その増加の規模と人間活動は生命の根源ともいえる水資源に脅威をもたらしている。とすれば、もっとも基本的な対策は世界人口自体のコントロールにある。
しかし、他方において世界人口、そしてまたアジアの人口の増加と規模は20年、30年の近い将来についてはほとんど決定されていると考えられる。人口コントロールに対する基本対策と併行しながら、同時に水資源に対する緊急対策の策定と実行が目前の厳しい緊急課題であることを認識する必要があろう。水資源の獲得と利用効率の向上は食料問題と不可分の課題として21世紀に登場してくることは避けられない。