(3) 実船馬力の推定
前述の自航要素を用いて氷厚1.2m、曲げ強度800Kpaの氷板を連続砕氷するための所用馬力を推定した。推定法は平成7年度の事業報告書に記された推定方法とほぼ同一である。
・対象とする氷況は、計画値である氷厚1.2m、800Kpaの平坦氷板である。
・抵抗推定には、氷中抵抗試験から得た推定式 を用いた。
・スラスト推定には、氷中自航試験で得られた 1-ti を用いた。
・トルク推定には、氷中自航試験で得られたKT-Jv,KT0.5/Jv-Jv, KQ-Jv曲線を用いた。
・直接: を用いて所用馬力を求めた。
所要馬力には、自航試験でのKT-Jv (図2.5) , KT0.5/Jv-Jv (図2.9), KQ-Jv (図2.6) を用いた。実船馬力推定結果を図2.10、表2.16に示す。常用出力で船速3.2knot、最大出力で船速3.6knotで氷厚1.2m、曲げ強度800Kpaの氷盤を連続砕氷可能と推定される。
常用出力で連続砕氷可能な氷盤の氷厚と船速の関係を図2.11に示す。