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5.3 海氷情報

 

氷況予測に用いられる海氷データとして一番望ましいのは、格子上の氷の分布状況、氷縁、氷の種類、密接度、氷盤の大きさ及び氷厚などのデジタル形式情報であるが、そのような情報は現存していない。現在このような海氷に関する情報は、氷況チャートあるいは氷マップと呼ばれる図面を用いて表している。氷況は気圧や気温計測のような機械計測が出来ないため、氷況情報の収集には氷域の直接観測法及び気象状況などから間接的に求める方法が用いられる。氷域の直接観測法の代表的な方法として、衛星によるリモートセンシングがあり、NOAAのAVHRR(可視、赤外)、DMSPのSSM/I(マイクロ波放射計)、ERS-1、JERS-1、RADARSATのSAR(合成開口レーダ)などの衛星搭載センサーが海氷のリモートセンシングに用いられている。

現存の氷況チャートの氷況情報は、氷況の時間平均的なものであり、更新の周期も長いので、氷況チャートの氷況情報を直接、氷況予測の初期データとして用いるには無理がある。そのため、氷況予測には、氷況チャートの氷況情報を衛星によるリモートセンシングから得られた氷況情報を用いて修正を行った氷況データを、氷況の初期条件として用いる方法が妥当と考えられる。

 

5.4 模擬氷況予測実験

 

海氷移動・分布の数値予測プログラムの検証と評価のため、SSM/Iの海氷データを用いた氷況予測の模擬実験を行った。計算を行った実験海域は、気象情報の入手することが出来たオホーツク海域で、領域の広さが1650 km × 1300 kmで、10 knotの船舶が3日間航

 

 

 

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