・平均航海日数、平均船速、平均所要馬力
それぞれのグループについて、片道航海日数の平均値を求め、この日数と片道航海距離から求めた船速を平均船速とする。またグループ各月の1航海平均馬力の航海日数に関する加重平均を取り、グループの平均馬力とする。
・エスコートの平均距離と平均日数
砕氷船エスコートはどの航海においても必要となる。 3.4.2(5)2)の傭船費のパラメタの中で、基本料金は1航海に対して排水量で決まる。他の項目はエスコート距離とエスコート日数をパラメタとするので、それぞれのグループ期間内の各月1航海当たりの平均エスコート距離、平均エスコート日数から各グループの平均値を求める。
・年間トータルコスト
以上のようにして求めたグループ期間毎の平均航海日数から往復航海数、運航費を計算し、これに資本費、船費を加えて、年間のトータルコストを算出する。
・年間輸送量
載貨重量に年間の片道航海数を乗じて年間輸送量とする。
・単位輸送量(ton)当たりの諸経費
年間トータルコストを年間輸送量で除して求める。
(2)SUEZ経由航路
・年間を通して航海条件は同じと仮定する。
・平均速力、平均所要馬力、平均航海日数
計画速力を年間の平均船速と仮定し、片道航海距離を計画速力で除して片道平均航海日数とする。往復の平均航海日数は港の停泊日数とSUEZ運河での船速低下による1日を見込んで算定する。平均馬力はNSOとする。
・年間トータルコスト、年間輸送量、単位輸送量(ton)当たりの諸経費はNSR経由航路の場合と同じようにして求める。
3.4.4 運航採算の評価
表3.4.2にNSR経由航路の各区間、各月毎の平均船速、航海日数、平均馬力を示す。また同じ表に、夏期及び冬期の片道航海に対してのそれぞれの平均値も示した。また、表3.4.3に今回の計画船によるNSR経由航路と従来船によるSUEZ経由航路の通年運航採算の比較を、表3.4.4には7月〜10月の夏期運航採算の比較を示す。なお、氷海用商船の船価についてはここでは、従来船の25%増しの例を示し、船価の影響については3.4.5節で述べることにする