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この資料では、今回設定したNSR航路の中でもWrangel Island〜Sannikova Straitの区間とVil'kitskogoStrait〜Mys Zhelaniyaの区間の氷況が厳しい。表3.2.2及び表3.2.3の航海日数の概算では、Murmansk〜Petropavrovsk-Kamchatskiiの区間の航海速力はエスコート砕氷船の船速に依存し、商船自身の船速には関係しないと仮定した。しかしながら1995年に実施された実船航海試験や上記データの通年の氷況を見ると、この区間においても開水域または自力航行が十分可能と考えられる穏やかな氷況となる時期が存在し、それらの時期・区域では、商船の砕氷能力、開水中速力が全体の航海日数に大きな影響を及ぼすと考えられる。

 

3.2.3 基本計画

Suez経由航路に対する経済上の競争力を高めるため、想定航路における最大DWT船型を狙って計画する。また船速に関しては、表3.2.5でVery close pack ice 以上の厳しい氷況下のみエスコートが必要と仮定しても、通年で全航路の35%から40%が砕氷船にエスコートされることになり、この区間の速力はエスコート砕氷船の速力によって決まると考えられる。従って、全航路の航海日数を短縮するために、自力氷中航行時の砕氷能力を平成7年度までに開発した船型程度に維持しながらも、開水中速力の向上を狙った船型の開発を行う。

 

 

 

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