5.1 趣旨書
着氷防止技術調査研究
小委員会(作業部会)
「船舶の甲板上機器類の着氷防止技術に関する調査研究」に伴う実船の実態調査についてのお願い
極寒海域を航行する船舶においては、船体への着氷や着雪が原因となって、いわゆるトップヘビーとなり、横転転覆等の痛ましい海難事故にみまわれる危険に直面することもあります。
この危険から回避するため、極寒海域を航行する船舶は建造時のスペックに寒冷地仕様を折り込むと共に、航行中も着氷の防止に配慮し、必要によっては乗組員の手によりハンマリングで着氷を除去する等厳しい環境の中で多大な苦労を強いられております。
このテーマは従来から問題視され、各機関で対応策の研究がなされた結果、着氷そのもののメカニズムや発生するときの環境条件としての気象状況や特定海域等について究明され、一応の見解が打ち出されております。
また、着氷自体は避けられないものとして、たとえ着氷があっても船体全体としての安全性を確保するため、復原性の維持を考慮する等の配慮がなされております。
しかしながら、甲板上に設置又は搭載されている航海用機器としてのレーダや緊急時用の救命艇、いかだ、遭難信号発信機等に対しては十分なる対応策が確立されておら ず、個別には対策がなされぬまま運航されているのが現状のようです。
そこで、船体に対する着氷問題は一応解決したものとして、今回は甲板上機器類に対する着氷防止および着氷除去の方策の確立を目的とした調査研究を実施することになりました。
つきましては、このテーマについて実船での実態を調査すると共に別紙の内容の質問をしたいと思いますのでご協力のほどお願いします。