海洋環境に関する重要課題の中で、早期に取り組みが求められる課題と対策手法例をグループごとに環境研究、環境対策の段階(図6-1)に当てはめて整理すると、図6-2〜図6-5のようになる。課題の多くが「研究的モニタリング」と「問題の解明」のレベルに位置づけられており、モニタリングの振興による情報・知見の蓄積が必要であることがわかる。
○ ホルモン撹乱物質による内分泌異常(環境ホルモン)
化学物質による内分泌撹乱現象は、生物・生態系への影響がないと考えられていた低濃度で異常を生じさせる可能性が問題となっている。現実に、日本の川や内湾の魚でも内分泌異常がおこっていることが懸念され、社会的な関心も高まりを見せている。モニタリング手法を確立し、原因物質が生物・生態系へ影響を及ぼす閾値を明らかにするための研究、技術開発が求められている(図6-2)。