このうちシャットネラとギムノディニウムによる被害が多く、近年まで両属の被害を合わせると 90 % に達していた。ところが、1980年代後半からヘテロカプサによる二枚貝(アサリ、カキ、アコヤガイなど)の被害が記録されてきた。
(4) 群集生態学的アプローチ
プランクトンの種類によって、赤潮の発生メカニズムが異なる。赤潮プランクトンの生活環に関する知見や増殖動態についての生理生態学的知見の蓄積により、研究も群集生態学的アプローチに変わってきている。例えば、シャットネラとギムノディニウムが同時に大量増殖しないこと、シャットネラと珪藻は競合関係にあり、シャットネラは増殖速度では珪藻に勝てない性質があること(表5-5)なども明らかになってきた。