3) 加振試験
加振試験は、磁界1.5Tのもとで電流2000Aを通電し、永久電流スイッチの軸方向に振動を加えた。なお、端子部強化後の加振試験では、比較のため磁界をかけない状態での加振試験も実施した。加振試験の結果を表3.2.2よび表3.2.3に示す。表中の振動加速度は、クエンチしなかった周波数において加えた振動加速度の最大値であり、クエンチした周波数においてクエンチ前の振動加速度の最大値である。
今回の改造を行う以前の加振結果、電流リード部の焼損修復後で端子部強化前の加振結果、および端子部強化後の加振結果を図3.2.5に比較して示す。電流リード部の焼損修復後は、100Hzおよび150Hzにおける加振でもクエンチが発生するようになったことから、リード部焼損修復の際に当初の臨界電流を回復できていなかったと考えられる。しかし、端子部を強化した後は、強化前に比べ190Hz以上の高周波数側でクエンチする振動加速度が大きくなったことより、端子部強化による耐振性向上の効果があったと考えられる。