日本財団 図書館


(2)トヨタ自動車のリーンバーンエンジン用NOx吸蔵還元型触媒

 

トヨタ自動車ではリーンバーンエンジン用のNOx吸蔵還元型触媒を実用化している。この例ではAl2O3担体にPtを1.8wt%、NOx吸蔵物質をAl2O3100gあたり0.18mol担持したものを使用している。

この触媒のNOx吸蔵還元メカニズムを模式図で示す。排ガス中のNOxは酸化雰囲気では貴金属上で酸化され、それに隣接するNOx吸蔵物質と結合して硝酸塩を形成して吸蔵される。還元雰囲気および等量点では硝酸塩が分解し、貴金属上で還元ガスと反応してN2に還元される。この過程で吸蔵物質はNOxを吸蔵する前の状態に戻る。

実際の車では、触媒はこのNOx吸蔵と還元を繰り返してNOxを浄化すると考えられる。

065-1.gif

本触媒では貴金属であるPt粒子径が小さいほどNOx浄化率が高い。これはPt粒子径が小さくなるほどPtの表面積が大きくなり、NOの酸化および還元剤の活性化サイトが増加することを意味している。またPt粒子径が小さくなると吸蔵物質との接触界面も増加するのでNOxの移動も促進されると考えられている。

また、図に示すように、吸蔵物質の種類によってNOx吸蔵量は変化し、NOxの吸蔵量と吸蔵物質の塩基性には強い相関関係がある。これは塩基性の強い吸

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION