上記反応の内、主反応は概ね200〜450℃の温度において起こり、副反応の内2-4、2-5式は300℃以下の低温域において起こる。
SCR用の触媒としては、酸化チタン(TiO2)を担体とし、活性成分として五酸化バナジウム(V2O5)さらに一部酸化タングステン(WO3)や酸化モリブデン(MoO3)を追加したTiO2-V2O5系が主流を占めている。
SCR法は、プロセスが簡単、信頼性が高い、副生品の処理が不要、運転操作が単純なことなどの特徴を有することから、今や脱硝装置といえば、 SCR法を意味するくらいであり、SCR法による脱硝装置は現在国内で陸上用の固定式プラントを対象に300台以上稼働しているようである。図2.2-2に代表的な陸上プラント用の脱硝装置の概略図を示す。
陸上用に比べて脱硝装置を船舶に搭載した例は極めて少ない。船舶用の例としては、B&Wの2サイクル機関を搭載し、韓国-米国航路に就航している撒積船「Pacific Success」とバルチラの4サイクル機関を4基搭載し、デンマークとスウェーデンの間を航行している多目的フェリー「Aurora af Helsingborge」などがある。しかしこれらは、低硫黄油を使用