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2.2 求められる触媒システムの機能特性の評価

 

2.2.1 小型内航船からの排気ガス処理の現状のまとめ

 

(1)舶用ディーゼルエンジンの排ガス

 

(a)NOx

最近の舶用ディーゼル機関は熱効率向上のためにシリンダー内最高圧力も高く、出力率の増加も図られる傾向にあり、過去のエンジンに比べNOx排出レベルは高くなっている。NOx排出レベルは機関の回転数、シリンダ径、運転特性等で大幅に異なるが、平均的にみると4サイクル機関で1300〜1400ppm(O213%)程度、2サイクル機関で1800〜1900ppm程度が現状と思われる。

一般に回転数では低くなるほど、シリンダ径では大きくなるほどNOxの排出レベルは概して高くなる傾向にある。また、発電機特性の運転ではNOx排出レベルが負荷とともに増加するかほぼ一定であるのに対し、舶用特性では低負荷時には回転数が低くなり、NOx排出レベルは高くなる傾向を示す。さらに燃料が低質になるほど着火性の影響を受けてNOxの排出レベルが高くなる。

(b)SOx

舶用ディーゼル機関から排出されるSOxは燃料油中に含まれるS(硫黄)の量にほぼ比例し、おおよその値は燃料分析結果から推測することができる。舶用ディーゼル機関からのSOx排出レベルは平均的にみて現在400〜800ppm程度と思われる。排ガス中のSOxのほとんどはSO2であり、陸上の一般産業用ボイラの排ガスではSO3はSOx全体の約1%程度が普通で高くても数%に過ぎない。これに対し舶用ディーゼル機関ではSOx中に占めるSO3の排出レベルが高いのが特徴である。SO3(無水硫酸)はSCR法で硫安等の生成を引き起こすため未反応アンモニアの発生を極力抑える必要があり、また触媒への影響についても考慮する必要がある。

 

 

 

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