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6-2 今後の研究開発環境・体制の整備に向けての提言

 

以上の検討内容を踏まえ、造船業における今後の研究開発を、かくたる技術戦略のもとに推進するための新しい体制として、次の2つを提言する。

 

(1)継続発展型研究開発における新しい体制

継続発展型研究開発を推進するための体制として、図6-4に示すような造船所を中心とした新しい枠組を提案する。これは、既存型の船舶においてパッケージ化・標準船化、あるいは安全、環境への対応を目的とした生産の情報化(特にCISS)、先進安全船等の研究開発の推進し、高シェアの実現による設備の効率的運用の確立を目指すための体制である。

造船所では、開発、設計、購入等の共同化をできる限り進め、パッケージ化・標準化の実現を図るとともに、国や大学等との共同開発で安全・環境対応技術を実現し、CISS等を構築しつつ、ライフサイクルベースでの安全・環境対応を行うことにより差別化を図っていく。このような共同体制構築のプロセスでは、造船所側での相互協調マインドの作り上げが必要となろう。

なお、この枠組では、標準船スペックの策定やCISS関連情報のやり取りで、船主との連携は重要である。また、CISSの運営や安全・環境関連シミュレーション等で、コンサルティング会社にアウトソーシングさせる可能性もあり、その育成を図る必要がある。

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