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(3)MARINTEK(The Norwegian Marine Technology Research Institute)

 

1)MARINTEKの概要

 

?SINTEFグループ

MARINTEKは、SINTEFグループに属する独立研究開発会社である。

SINTEFグループは、ノルウェー科学技術大学(Norwegian University of Science and Technogogy:NTNU)で生み出された産業応用指向の強い技術的な成果をプロモートし、NTNUとノルウェー産業、あるいは他の研究機関等との関係を発展させることを目的として1950年に設立された財団法人である。最近では、大学からの技術移転だけでなく、国からの要請で産業振興のための技術的な面からのサポートを行う機会も増えている。

グループの組織は9本部(応用数学、社会・環境工学、応用化学、電子・サイバネティクス、エネルギー、材料技術、産業経営、情報・通信、医療・福祉)と3研究所(電力研究所、石油研究所、MARINTEK)で構成されている。

1996年のグループの事業収入は約260億円、純収益は約11億円となっている。また、従業員数は約1,930人で、このうち研究員は約1,200人である。

 

?MARINTEKの設立経緯

MARINTEKは、1939年に建設された国有のTowing Tankと1951年に設立されたSINTEFグループの海事関連研究開発会社が、1972年に合併してできた研究所である。

企業体となっているが、税法上は財団法人的である。すなわち利益に対して税金を払っているわけではなく、またオーナに対しても配当を払っていない。利益目標を5%としているが、それらをすべて研究開発費に回すという考え方で運営されている。

MARINTEKの株主及び出資比率は表5-2-10に示すとおりである。

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?MARINTEKの業績

MARINTEKの1996年の業績を表5-2-11に示す。収入の面では、受託研究が90%近くを占めており、残りが戦略的プロジェクト(約10%)、基礎的プロジェクト(約3%)となっている。

受託研究の受託先別シェアは、国内のノルウェー企業が50%、海外が23%、研究審議会が15%、研究審議会を除く公的セクターが12%と推定される。なお、企業からの受託の中には、研究審議会から受けた資金を回してきているものもあり、実質的には研究審議会の比率はもう少し高くなる。

 

 

 

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