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5)研究開発テーマの選定プロセス

NSAは、内部に研究開発委員会を組織しており、ノルウェーの船主が共通的に興味を持っている研究開発を計画、推進する。テーマのプライオリティは、委員会及び主要な船主とのディスカッションに基づき決められる。

メンバー企業と研究開発ニーズに関するディスカッションを行うと、同じような問題点をかかえていることがわかり、プライオリティの高い研究開発プロジェクトが容易に決まるケースが多いということである。

また、DNVや舶用機器メーカが参加する委員会もあり、専門家を呼んで議論しながら研究開発プロジェクトの内容を議論し、テーマ選定等をサポートする。

このプロセスでは、研究審議会と緊密な連携を取っており、NSAと審議会の予算をプールし、最大限のアウトプットが得られるように投資している。

 

例えば、前述した「MARITIM」プロジェクトの「水上交通/ロジスティクス」、及び「船舶の運航」の2つのサブプログラムの内容は、基本的にはNSA主導のもとに決められたものである。経緯としては、まずNSA側から関係者にコンタクトしてニーズを把握し、ある程度内容が煮詰まってから、船主や造船所等を集めて話し合いをし、具体的な研究開発内容を決めていった。

また、「MARITIM」プロジェクトの残りのサブプログラム、「造船及び船舶技術」と「船舶システムと舶用機器技術」でも、NSAが音頭をとって舶用機器メーカ等に独自の戦略を出すように提言し、出された戦略に基づいて研究開発内容が決められたということである。舶用機器業界にも支援団体のようなものはあるが、NSAのように研究開発予算を持っているわけではなく、プロジェクトの立ち上げに関してはNSAのイニシアティブのもとに進められたようである。

 

 

 

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