・フィンランド海事研究所における主要なプロジェクト
・舶用機械の信頼性アセスメントのための計算ツールの開発
・多目的砕氷船の開発
・数値計算法によるモノハル及び多重ハル構造の抵抗評価法の開発
なお、現在進められている研究開発プロジェクトについては、次項の現地調査結果に紹介されている。
表5-1-4 フィンランドにおける特徴的な造船関連機関・企業
○クバーナ・マサヤーズ
ノルウェーの多国籍企業、クバーナ・グループの拠点の1つでフィンランド最大の造船所。前身はヴァルツィラ・マリンであるが、1989年に倒産し、クバーナ・グループが引き継いだ。かつて世界の客船の1/4を建造した実績を持ち、現在も主力船舶となっている。
○フィンヤーズ
客船、フェリー、RORO船等の特殊船分野で事業を営む。最近スウェーデンのステナ・ライン向けに建造した40ノットの高速フェリーは有名で、HHS(High Speed Sea Service)船型と呼ばれ、1,500DWT、旅客1,500人、乗用車375台(またはトラック50台+乗用車120台)の規模で、ガスタービン4基を搭載する。
○ヴァルツィラ・NSD・コーポレーション
世界最大のディーゼルエンジン専門メーカ。もともとヴァルツィラ・ディーゼルは中速エンジンで世界トップシェアを有しているが、1995年に米国カミンズ社と合弁会社を設立して高速分野を強化し、1997年4月にスイスのニュー・スルザー・ディーゼルを吸収合併して低速分野も強化した。
○アクアマスター・ラウマ
ラウマレポラの甲板機械製作所とホルミング社のエンジニアリング部門が合併して1988年に誕生。推進装置と甲板機械で高シェアを有する。
○シャーマンウッド
カバ材合板で、LPG、LNGタンクのカーゴ・ホールドに豊富な採用実績を持つ。
○マリオフ・ハイフォグ
軽量、コンパクトのハイフォグ消火装置(高圧水噴霧式)で有名。
○イバック
真空式トイレで客船市場を独占。
○ピッキオ・ワークス
クバーナ・マサヤーズの一部門だが、同部門が製作するテーラメイドのユニット式キャビンは、客船や海上構造物等の居住区向けで世界トップを占める。
○ナパ
ヴァルツィラ・マリンのコンピュータ設計部門が独立する形で発足。船舶設計ソフト、荷役計算ソフト等で豊富な採用実績がある。
○デルタマリン
マリンコンサルティングとエンジニアリングを行う企業。国内よりも海外に多くの顧客を持ち、あらゆる船種の設計サービス、新しい船型の研究開発等を行う。
(出所:各種資料よりMRI作成)